ノンファーム型接続と出力制御は何が違うのか
「つながる」と「いつでも全量を流せる」は別
——接続条件と運用指令を切り分ける
ノンファーム型接続と聞くと、「常に出力制御される接続方式」と受け取られることがあります。しかし、ノンファーム型接続は接続の条件であり、出力制御は実際の運用時に出力を抑える行為です。
この二つを混同すると、接続できる可能性と、運転できる時間、制御量の見通しを正しく評価できません。
ノンファーム型接続は“制御を受け入れて接続する仕組み”、本稿で扱う系統混雑時の出力制御は“必要時に実際に出力を下げる運用”です。
ファームとノンファームの考え方
従来型のファーム接続では、電源が最大出力を出しても流せるよう、必要に応じて系統増強を行う考え方が中心でした。ノンファーム型接続では、平常時の系統混雑時に出力制御を受けることを条件に、既存系統を効率的に利用します。[1]
ファーム型の考え方
最大出力を流すために必要な系統容量を確保し、必要なら増強します。
増強を前提にしやすい
ノンファーム型の考え方
系統混雑時の出力制御を受け入れ、既存設備を有効利用します。
制御を条件に接続
出力制御は、実際に流れを調整する行為
出力制御には、送変電設備の混雑を解消するための制御と、エリアの需給バランスを保つための制御があり、発動理由とルールは同じではありません。本稿で扱うノンファーム型接続に伴う出力制御は、前者の系統混雑を解消するための運用です。[2]
ノンファーム型接続適用電源は、契約上、制御に応じるための機器・通信や運用体制を整えます。
2023年4月以降は原則適用が広がった
OCCTO資料では、2023年4月1日以降に接続検討を受け付けた案件は、接続先の電圧階級や空き容量の有無にかかわらず、原則としてノンファーム型接続の対象と整理されています。ただし、10kW未満の低圧など例外があります。[1]
「空き容量があるからファーム」「空き容量がないからノンファーム」と単純に分けることはできません。適用条件は、受付時期、電圧、電源区分、契約内容を確認します。
蓄電所では充電制限と混同しない
ノンファーム型接続に伴う系統混雑時の出力制御は、蓄電所では放電を抑制するものです。これに対し、蓄電所の充電制限は、系統から受け取る側の容量不足に対応する仕組みです。[2]
同じ蓄電所で両方の条件が付く可能性もあります。接続検討回答書や契約資料で、どの方向の電力が、どの設備条件で、誰の指令により制御されるかを確認します。
JGBEAの視点|制約の名称ではなく、方向・条件・指令を確認する
「ノンファームだから事業性が低い」「制御なしだから安全」といった一語での判断は危険です。
評価では、放電側と充電側を分け、制御対象、発動条件、指令方法、解除条件、設備費、運用への影響を確認します。
今回の要点
- ノンファーム型接続は接続条件、出力制御は運用時の行為です。
- 2023年4月以降受付の案件は原則としてノンファーム型接続の対象です。
- 系統混雑による出力制御と、需給バランス制約による出力抑制は区別します。
- ノンファーム型接続と充電制限は、制御する電力の向きが異なります。
- 将来の制御量は公開情報だけで断定できません。
次回予告
第6回では、九州エリアで実施されている系統用蓄電池の早期連系追加対策(充電制限)を、適用範囲を限定して解説します。
参考資料・出典(2026年8月26日確認)
[1]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「系統の接続および利用ルールについて~ノンファーム型接続~」(2026年8月26日確認)
[2]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「再生可能エネルギー発電設備の出力抑制に関する検証」(2026年8月26日確認)