ノンファーム型接続と出力制御は何が違うのか|系統制約編 第5回

JGBEA コラム|系統制約編 第5回

ノンファーム型接続と出力制御は何が違うのか

「つながる」と「いつでも全量を流せる」は別
——接続条件と運用指令を切り分ける

ノンファーム型接続と聞くと、「常に出力制御される接続方式」と受け取られることがあります。しかし、ノンファーム型接続は接続の条件であり、出力制御は実際の運用時に出力を抑える行為です。

この二つを混同すると、接続できる可能性と、運転できる時間、制御量の見通しを正しく評価できません。

ノンファーム型接続は“制御を受け入れて接続する仕組み”、本稿で扱う系統混雑時の出力制御は“必要時に実際に出力を下げる運用”です。

ファームとノンファームの考え方

従来型のファーム接続では、電源が最大出力を出しても流せるよう、必要に応じて系統増強を行う考え方が中心でした。ノンファーム型接続では、平常時の系統混雑時に出力制御を受けることを条件に、既存系統を効率的に利用します。[1]

ファーム型の考え方

最大出力を流すために必要な系統容量を確保し、必要なら増強します。

増強を前提にしやすい

ノンファーム型の考え方

系統混雑時の出力制御を受け入れ、既存設備を有効利用します。

制御を条件に接続

出力制御は、実際に流れを調整する行為

出力制御には、送変電設備の混雑を解消するための制御と、エリアの需給バランスを保つための制御があり、発動理由とルールは同じではありません。本稿で扱うノンファーム型接続に伴う出力制御は、前者の系統混雑を解消するための運用です。[2]

ノンファーム型接続適用電源は、契約上、制御に応じるための機器・通信や運用体制を整えます。

接続検討制御条件を確認契約条件を受入れ監視混雑を判断出力制御必要時に抑制接続条件と運用の関係
図1 ノンファームは接続条件、出力制御は運用時の動作

2023年4月以降は原則適用が広がった

OCCTO資料では、2023年4月1日以降に接続検討を受け付けた案件は、接続先の電圧階級や空き容量の有無にかかわらず、原則としてノンファーム型接続の対象と整理されています。ただし、10kW未満の低圧など例外があります。[1]

「空き容量があるからファーム」「空き容量がないからノンファーム」と単純に分けることはできません。適用条件は、受付時期、電圧、電源区分、契約内容を確認します。

蓄電所では充電制限と混同しない

ノンファーム型接続に伴う系統混雑時の出力制御は、蓄電所では放電を抑制するものです。これに対し、蓄電所の充電制限は、系統から受け取る側の容量不足に対応する仕組みです。[2]

同じ蓄電所で両方の条件が付く可能性もあります。接続検討回答書や契約資料で、どの方向の電力が、どの設備条件で、誰の指令により制御されるかを確認します。

JGBEAの視点|制約の名称ではなく、方向・条件・指令を確認する

「ノンファームだから事業性が低い」「制御なしだから安全」といった一語での判断は危険です。

評価では、放電側と充電側を分け、制御対象、発動条件、指令方法、解除条件、設備費、運用への影響を確認します。

今回の要点

  • ノンファーム型接続は接続条件、出力制御は運用時の行為です。
  • 2023年4月以降受付の案件は原則としてノンファーム型接続の対象です。
  • 系統混雑による出力制御と、需給バランス制約による出力抑制は区別します。
  • ノンファーム型接続と充電制限は、制御する電力の向きが異なります。
  • 将来の制御量は公開情報だけで断定できません。

次回予告

第6回では、九州エリアで実施されている系統用蓄電池の早期連系追加対策(充電制限)を、適用範囲を限定して解説します。

参考資料・出典(2026年8月26日確認)

[1]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「系統の接続および利用ルールについて~ノンファーム型接続~」(2026年8月26日確認)

[2]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「再生可能エネルギー発電設備の出力抑制に関する検証」(2026年8月26日確認)

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