バランシンググループとインバランスの基本|事業体制編 第8回

JGBEA コラム|事業体制編 第8回

バランシンググループとインバランスの基本

電気は「一日分」ではなく30分ごとに合わせる
——計画と実績の差は誰の数字になるのか

電気は大量に貯めにくいため、つくる量と使う量を常に合わせる必要があります。市場で一日の合計売電量が合っていても、30分ごとの計画と実績がずれれば、インバランスが生じます。

蓄電池は計画を修正する道具にもなりますが、故障、SOC不足、通信遅延によって自ら差分を生むこともあります。

BGは計画をまとめる単位、インバランスはその計画と実績の差です。

30分コマで計画と実績を比べる

電力取引や需給計画では、一日を30分単位に分けて管理します。例えば14時から14時30分までに1,000kWhを放電する計画に対し、実績が900kWhなら、100kWhの差が生じます。[1]

前日・当日計画30分ごと実際の充放電計量値差分計算計画-実績精算インバランス計画値同時同量の基本
図1 日合計ではなく、各30分コマで差分を見る(小さい画面では横にスクロール)

BGは複数地点をまとめる単位

バランシンググループ(BG)は、発電側または需要側の計画と実績をまとめて管理する単位です。複数の電源や需要を一つのBGに組み入れ、グループ全体で同時同量を管理します。

蓄電所は放電側と充電側の両面を持つため、一般には放電側の発電BGと充電側の需要BGについて、それぞれどの契約・どのBGで計画されるかを確認します。設備オーナー、アグリゲーター、小売電気事業者の名称だけでは判断できません。[2]

インバランスは罰金ではなく、差分の精算

インバランスは、提出した計画と実績の差を一般送配電事業者が調整した結果に対する精算です。単純な一律罰金ではなく、制度に基づく単価で不足・余剰を精算します。

不足方向

予定より供給が少ない、または需要が多い状態。系統側が不足分を補います。

不足インバランス

余剰方向

予定より供給が多い、または需要が少ない状態。系統側が余剰分を吸収します。

余剰インバランス

単価は時点や制度により変動します。事業計画では、過去単価だけで固定せず、発生量を減らす運用と契約上の負担主体を確認します。

蓄電池運用で起こりやすいずれ

価格予測に合わせてスポット市場で売買しても、実際の充放電がPCS上限、SOC、補機電力、効率、温度制御で計画とずれることがあります。時間前市場で約定した場合は、その約定量を販売・調達計画へ反映して計画を修正します。時間前市場の商品ごとの取引終了は、受渡時間帯の1時間前です。[3]

JGBEAの視点|インバランス費用より、発生原因を分ける

費用の大きさだけでなく、価格予測、計画提出、指令、設備性能、計量のどこで差分が生じたかを切り分けます。

評価では、BG所属、計画提出者、ゲートクローズ前の修正権限、インバランス精算の負担者を確認します。

今回の要点

  • 電力は30分コマごとに計画と実績を比較します。
  • BGは複数の電源・需要の計画と実績をまとめる単位です。
  • インバランスは計画と実績の差に対する精算です。
  • 約定量、計画値、PCS出力、受電点計量は同じ数字とは限りません。

次回予告

第9回からは卸電力市場編です。まず、蓄電池がJEPXで充電用の電気を買い、放電した電気を売る基本の流れを見ます。

参考資料・出典(2026年9月2日確認)

[1]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「計画提出

[2]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「計画に関する記載要領等・その他情報」(発電販売計画・需要調達計画の記載要領、2026年8月12日掲載)

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[3]日本卸電力取引所(JEPX)「取引概要・取引規程」(取引規程:2026年8月31日改定)

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