2025年度系統アクセス統計から何が分かるのか
申込みが増えたことと、連系が増えたことは別
——受付・回答・契約を段階ごとに読む
OCCTOは2026年6月、2025年度の系統アクセス業務実績を公表しました。接続検討の受付件数は28,927件で、前年度14,276件から大きく増加しています。[1]
資料では、全エリアで蓄電池の比率が大きいことも示されています。ただし、この数字は建設済み蓄電所や接続確定案件の数ではありません。
系統アクセス統計は「手続の流入量」を示す資料であり、「完成する設備量」を直接示す資料ではありません。
統計は手続段階ごとに分かれている
資料には、事前相談、接続検討、契約申込みについて、受付・回答・検討期間・未回答案件が掲載されています。数字を引用するときは、どの段階かを必ず付けます。
2025年度は接続検討受付が約2倍
2025年度の接続検討受付は28,927件で、2024年度の14,276件から14,651件増加しました。特に東北、東京、中部、関西で増加が大きいと資料は説明しています。[1]
電源種別では全エリアで蓄電池の比率が大きく、系統用蓄電池の開発関心が全国的に高まっていることが読み取れます。
件数には重複・混在が含まれる
同一事業者が同一発電場所について容量を変えて複数申込みをした場合も、それぞれ一件として計上されます。また、一件の接続検討に複数電源種が混在する場合、電源種別件数は複数区分に計上され、受付件数合計と一致しない場合があります。[1]
件数
手続の数。案件、地点、事業者の数と一致するとは限りません。
申込み単位
容量
申込出力の合計。実際に連系する出力や蓄電容量MWhとは異なります。
kW単位
回答の速さと案件の前進を分ける
2025年度の接続検討回答は、標準期間3か月を超えた件数が全体の0.58%とされています。[1] ただし、正式受付前の書類確認期間はこの検討期間に含まれません。
また、回答を受けても、費用・工期・制約を受け入れず契約申込みへ進まない案件があります。接続検討回答件数と契約申込み件数の差を見ることで、事業化段階の違いを理解できます。
JGBEAの視点|大きな数字ほど、段階・単位・重複条件を添える
系統アクセス統計は市場の熱量や業務負荷を示す重要な資料ですが、稼働設備量の推計へ直結させると過大評価になります。
評価では、受付→回答→契約申込み→連系の各段階を分け、同じ年度・同じ集計範囲で比較します。
今回の要点
- 2025年度の接続検討受付は28,927件で、前年度から大きく増えました。
- 全エリアで電源種別に占める蓄電池の比率が大きいとされています。
- 受付件数は地点数・事業者数・連系済み設備数と一致しません。
- 同一地点の複数申込みや複数電源種の重複計上に注意します。
次回予告
第25回では、JEPXの価格データを30分、日、月、年度の各粒度で読み、平均値と最大値を誤用しない方法を解説します。
参考資料・出典(2026年10月9日確認)
[1]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「発電設備等系統アクセス業務に係る情報の取りまとめ(2025年度)」(2026年6月公表、7月10日一部訂正)
[2]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「発電設備等に関する系統アクセスの流れの更新について」(2026年9月28日更新)