2025年度約定結果から蓄電池の落札状況を読む
応募が多いことと、すべて選ばれることは別
——125.1万kWの応札を数字で追う
2026年5月13日、OCCTOは応札年度2025年度の長期脱炭素電源オークション約定結果を公表しました。蓄電池の応札容量は125.1万kW、落札率は46%でした。[1]
この数字は、蓄電池案件への投資意欲が強い一方、応札すれば必ず落札する制度ではないことを示します。ただし、落札率だけで個別案件の優劣を判断することはできません。
公表結果は市場全体の競争状況を示しますが、個別案件の価格・採算を直接示すものではありません。
全体では729.9万kWが落札
脱炭素電源とLNG専焼火力を合わせた全国の応札容量は1,085.6万kW、落札容量は729.9万kW、落札率は67%でした。脱炭素電源だけでは、募集量500万kWに対し約定総容量426.1万kWでした。[1]
蓄電池の「46%」は何を意味するか
公表資料の発電方式別集計では、蓄電池の応札容量125.1万kWに対し落札率46%です。これは応札容量ベースの比率であり、案件数の46%とは限りません。
大型案件と小型案件では一件当たり容量が異なるため、「約半分の案件が落札した」と読み替えないことが重要です。また、リチウムイオンとそれ以外、募集上限、製造国制限などの約定処理も関係します。
公表区分を足しても蓄電池だけにならない場合がある
約定総容量の表では、「リチウムイオン蓄電池・揚水(新設を除く)」が81.9万kW、「リチウムイオン以外の蓄電池・揚水(新設)・LDES」が88.6万kWと、複数電源をまとめた区分で示されています。[1]
したがって、この二つを足して「蓄電池の落札容量」とすることはできません。蓄電池だけを見るときは、発電方式別集計や別紙の落札電源一覧など、目的に合う表を使います。
価格と個別採算は公表結果だけでは分からない
約定は原則として応札価格の低い順に行われますが、電源種別の募集上限、限界電源、上限価格、監視結果なども影響します。個別電源の応札価格は経営情報であり、公表方法にも配慮されています。
JGBEAの視点|数字の「分母」と「集計区分」を最初に確認する
公表資料は、応札容量、落札容量、落札率、約定総容量、電源区分を混ぜると誤った結論になります。
評価では、単位、母数、電源区分、案件数か容量か、速報か確報かを表の横に記載します。
今回の要点
- 2025年度の蓄電池応札容量は125.1万kW、落札率は46%です。
- 46%は容量ベースであり、案件数ベースとは限りません。
- 複数電源を合算した公表区分を蓄電池だけの容量と読まないよう注意します。
- 約定結果だけで個別案件の採算や品質は判断できません。
次回予告
第20回では、2026年度募集要綱案で示された募集上限、制度適用期間、供給力提供開始期限など、蓄電池関連の変更点を「案」として整理します。
参考資料・出典(2026年9月28日確認)
[1]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「長期脱炭素電源オークション約定結果(応札年度:2025年度)」(2026年5月13日)
[2]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「長期脱炭素電源オークション(応札年度:2025年度)」