2026年度募集要綱案で示された蓄電池関連の変更点
最新情報ほど、確定と未確定を分ける
——募集上限・契約期間・開始期限の案を読む
OCCTOは2026年9月2日、応札年度2026年度の長期脱炭素電源オークション募集要綱及び容量確保契約約款を公表しました。[1]
意見募集段階で示された方向と、9月2日に公表された正式版は区別して確認する必要があります。
この記事では、意見募集案で示された変更方向を整理し、応札判断は正式な募集要綱、別表及び提出様式で確認します。
募集量500万kW、蓄電池は種別ごとの上限
正式募集要綱では、脱炭素電源の募集量を500万kWとし、その内数としてリチウムイオン蓄電池40万kW、リチウムイオン以外の蓄電池40万kWなど、電源種別の募集上限が示されています。[2]
2025年度では揚水やLDESと合算された上限区分がありましたが、2026年度の正式要綱では区分が整理されています。セル製造国に関する制限の対象・算定方法も、募集要綱と提出様式で確認が必要です。
蓄電池の制度適用期間は長期化の選択肢
意見募集案の補足説明では、蓄電池について、原則20年より長い制度適用期間を1年単位で希望でき、上限40年とする方向が示されました。正式な適用条件は募集要綱本文、別表及び提出様式で確認します。[2]
期間が長いほど収入予見性は高まりますが、設備更新、劣化、保険、保守、サイバー対策、他市場収益還付の前提も長期化します。長い期間が自動的に有利とは限りません。
供給力提供開始期限は4年の案として示された
意見募集案の補足説明では、蓄電池の供給力提供開始期限を、応札から4年後の日が属する年度末とする案が示されました。正式版の適用は募集要綱で確認します。[2]
これは接続検討回答の工期だけでなく、土地、許認可、融資、設備調達、送配電工事、試運転、市場登録をすべて含めて間に合うかを確認すべき期限です。
正式版で必ず確認する項目
| 項目 | 再確認する内容 |
|---|---|
| 募集上限 | 蓄電池種別、合算区分、セル製造国制限 |
| 上限価格 | 運転継続時間等による区分、算定条件 |
| 適用期間 | 希望可能年数、開始年度、更新との関係 |
| 開始期限 | 起算点、期限、遅延時の扱い |
| 提出資料 | 接続、土地、資金、設備・供給網の証憑 |
JGBEAの視点|速報性より、制度状態の表示を優先する
意見募集案を早く解説することには価値がありますが、正式版と混同させると事業判断を誤らせます。
評価協会として、資料名、意見募集期間、情報基準日、未確定項目を記事冒頭と該当箇所に明示します。
今回の要点
- 2026年度募集要綱及び容量確保契約約款は2026年9月2日に公表されています。
- 正式要綱ではリチウムイオン蓄電池40万kW等の募集上限が示されています。
- 制度適用期間上限40年、供給力提供開始期限4年は意見募集案で示された方向であり、正式な適用条件を確認します。
- 正式要綱の本文、別表及び提出様式で数値・注記・対象を確認します。
次回予告
第21回からはサイバーセキュリティ編です。PCS・EMS・BMS・クラウドがつながることで生じるリスクを、設備停止と誤制御の観点から整理します。
参考資料・出典(2026年9月30日確認)
[1]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「「容量市場 長期脱炭素電源オークション募集要綱(応札年度:2026年度)」及び「長期脱炭素電源オークション 容量確保契約約款」の公表について」
[2]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「募集要綱案・約款案 補足説明資料」