2026年度リクワイアメント・アセスメントの読み方
容量収入は「待っていればもらえるお金」ではない
——供給力を出せる状態を一年間維持する
容量市場で落札すると、実需給年度に容量確保契約金額を受け取ります。ただし、その対価として、供給力を確保し、必要な場面で市場応札や供給指示に対応する義務があります。
対象実需給年度2026年度の業務マニュアルは、電源区分ごとに公表されています。安定電源、変動電源、発動指令電源で義務と評価方法が異なるため、一つの説明でまとめてはいけません。[1]
容量市場は設備保有への支払いではなく、供給力を提供できる状態と実績への支払いです。
リクワイアメントは何を求めるか
安定電源では、容量停止計画の調整、発電計画・発電上限の登録、市場応札、供給指示への対応などが実需給期間中の業務になります。具体的な対象・提出方法は2026年度マニュアルで確認します。[2]
アセスメントは義務ごとに行われる
アセスメントでは、登録した供給力、停止計画、市場応札量、実績等を使い、リクワイアメントを達成したかを確認します。未達があれば、容量確保契約金額の減額や経済的ペナルティの対象になり得ます。
単に一度最大出力を出せたかではなく、対象時間、指示内容、登録値、計量値の関係を見ます。
蓄電池で重要なSOCと停止計画
蓄電池は、設備が故障していなくてもSOCが不足すれば供給力を出せません。他市場で放電した後、容量市場で必要な供給力を求められる可能性を考慮し、SOCの下限、充電回復時間、優先順位を定めます。
設備停止
保守・故障により設備が使えない状態。容量停止計画と実績を管理します。
設備可用性
エネルギー不足
設備は動くがSOCが足りず、必要な出力・時間を提供できない状態。
運用可用性
2026年度という限定を外さない
容量市場のルールは、対象実需給年度、電源区分、参加方法により異なります。2026年度の安定電源マニュアルを、2030年度の契約や発動指令電源へそのまま当てはめることはできません。
JGBEAの視点|収入予測と履行計画を同じ表で見る
容量収入だけを固定収入として計上し、SOC確保、保守制約、ペナルティを別管理にすると、収益と義務が切り離されます。
評価では、年間収入、停止計画、他市場運用、SOC下限、未達時の減額を同じシナリオで確認します。
今回の要点
- 容量確保契約金額は供給力提供義務の対価です。
- リクワイアメントとアセスメントは電源区分ごとに異なります。
- 蓄電池では設備停止だけでなくSOC不足も供給力未達につながります。
- 適用年度とマニュアルの版数を明記します。
次回予告
第18回からは長期脱炭素電源オークション編です。まず、通常の容量市場メインオークションとの目的・対象・収入期間の違いを整理します。
参考資料・出典(2026年9月23日確認)
[1]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「2026年度実需給関連」
[2]電力広域的運営推進機関(OCCTO)「実需給期間中リクワイアメント対応(安定電源)編」(対象実需給年度2026年度・第2版、2026年4月27日発行)