2027年4月に向けた蓄電池のサイバーセキュリティ要件
対象は「蓄電池そのもの」だけではない
——通信機能を持つ制御機器を特定する
国は、2027年4月以降に新規に系統接続される太陽光発電・蓄電池について、通信機能を持つ制御機器にJC-STAR★1取得製品を用いることを系統連系技術要件で求める方向を示しています。[1]
重要なのは、「蓄電池メーカーが何らかの認証を持つか」ではなく、実際に系統制御や遠隔通信を担うどの製品・型番・バージョンが対象になるかです。
2027年4月は設備調達の直前ではなく、今から対象機器と証憑を確認する期限です。
示されている政策の方向
経済産業省の2026年2月・7月資料では、2027年4月以降に新規系統接続される太陽光・蓄電池に付随する通信機能を有する制御機器について、JC-STAR★1取得を要件化する方向が示されています。[1][2]
ただし、具体的な系統連系技術要件の最終文言、経過措置、対象範囲は、最新の一般送配電事業者の要件・国の公表資料で確認します。
対象製品を設備構成図から特定する
対象になり得るのは、PCS、EMS、ゲートウェイ、通信アダプタなど、系統制御や遠隔通信に関係する機器です。クラウドサービスやシステム全体が同じラベル対象になるとは限りません。
確認する単位
製品名、型番、ハードウェア版、ファームウェア版、ラベル登録番号を確認します。
製品単位
確認する機能
外部通信、遠隔操作、系統制御指令、認証・更新機能を構成図で確認します。
機能単位
調達契約へ入れるべき情報
「JC-STAR対応予定」ではなく、納入時に有効な適合ラベル、対象型番、登録番号、評価範囲を提出条件にします。ラベル失効、型番変更、ファームウェア更新時の通知と代替対応も定めます。
IPAは、ラベル交付前に「取得予定」「申請中」など取得見込みと誤認させる表示へ注意を促しています。[3]
★1だけで全体安全とはならない
国の検討資料でも、JC-STAR★1が蓄電池等に想定されるすべての脅威への対策を包含するわけではないとされています。[4]
JGBEAの視点|納入日ではなく、連系日と対象型番で判断する
設備を早く発注しても、2027年4月以降の新規連系で求められる要件を満たさなければ、設計変更や納期遅延につながります。
評価では、予定連系日、対象機器、ラベル状態、代替型番、証憑提出時期を調達工程へ組み込みます。
今回の要点
- 2027年4月以降の新規系統接続に向け、JC-STAR★1要件化の方向が示されています。
- 対象は通信機能を持つ制御機器であり、設備全体を一括して判断しません。
- 製品名だけでなく型番・版・登録番号・ラベル状態を確認します。
- ★1取得だけで蓄電所全体の安全が保証されるわけではありません。
次回予告
第23回では、JC-STAR適合ラベルの製品リストから、取得事業者、型番、レベル、状態、有効期間を正しく確認する方法を解説します。
参考資料・出典(2026年10月5日確認)
[1]経済産業省「分散型電源のサイバーセキュリティ対策について」(2026年2月12日)
[2]資源エネルギー庁「分散型電源のサイバーセキュリティ対策について」(2026年7月13日)
[3]IPA「適合ラベルの確認方法」
[4]資源エネルギー庁「分散型エネルギーリソースの施策の方向性を踏まえた対応」